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成人におけるCOVID-19罹患後症状の頻度と 関連要因の検討:地域住民におけるケースコントロール研究
2024年10月16日
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
研究成果のポイント
本研究では、大阪府八尾市において2021年3月から2022年4月(いわゆる第4~6波)に新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)に罹患しHER-SYSに登録された18歳~79歳までの成人4,185人の罹患後症状をアンケート調査で評価し、性別・年齢等をマッチさせた非感染者3,382人(対照群)と比較しました。
その結果、
- 感染者における罹患後症状の頻度は15.0%と、非感染者の遷延する症状(4.4%)と比べて約3倍高いことがわかりました。
- アルファ株・デルタ株流行期の感染者に比べて、オミクロン株流行期の感染者の罹患後症状の頻度が低いことがわかりました(27.0% vs 12.8%)。
- 女性、既往歴あり、COVID-19急性期に入院ありは、罹患後症状の発生と関連していました。
- 感染前に1回以上COVID-19ワクチンを接種していた者においては、未接種者に比べて罹患後症状の頻度が約半分でした。
この結果より、軽症者を中心とする成人集団において、COVID-19罹患が罹患後症状の発生と関連があること、また、感染時期により罹患後症状の頻度が異なることがわかりました。
*本研究では、COVID-19初回感染後に出現し、感染から3か月時点で有し、2か月以上続く症状を罹患後症状と定義しました。
背景
成人において、COVID-19の罹患後症状の頻度や関連要因について、非感染者との比較や流行する株による違いについては報告が限られていました。
概要
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(略称:NCGM)の国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センターの磯博康センター長、堀 幸上級研究員らの研究グループは、大阪府八尾市保健所と共同で成人におけるCOVID-19感染による罹患後症状の頻度や関連要因を明らかにするために、大阪府八尾市在住の2021年3月~2022年4月までにHER-SYSに登録された18~79歳までの感染者と性別・年齢等をマッチさせた非感染者を対象とした住民調査を実施しました。
結果
調査は2022年11月にWEB質問紙(60歳未満)または紙質問紙(60歳以上)を用いて実施し、7,567人(感染者4,185人、平均年齢44.7歳;非感染者3,382人、平均年齢45.5歳)が回答しました。感染者は、初回感染から平均271日経過し、3,511人(83.9%)が軽症者でした。
感染者における罹患後症状の頻度は15.0%と非感染者における2か月以上遷延する症状4.4%よりも約3倍高い結果となりました(性・年齢調整オッズ比:3.86、95%信頼区間:3.20~4.64)。また、感染時期別に罹患後症状の頻度を検討した結果、オミクロン株流行期における感染者は、アルファ株・デルタ株流行期の感染者と比べて、罹患後症状の発生が少ないことがわかりました。さらに、女性、感染前に既往歴がある者、COVID-19急性期に入院ありの者において罹患後症状の頻度が高く、また、感染前に1回以上COVID-19ワクチンを接種していた者では、未接種者に比べて罹患後症状の頻度が半分でした。
- 詳細は以下のファイルをご覧ください。
リリース文書
問合せ先
研究に関するお問い合せ
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
国際医療協力局 グローバルヘルス政策研究センター(iGHP)
担当:堀
電話:03-6228-0562
報道に関するお問い合せ
国立国際医療研究センター(NCGM)企画戦略局 広報企画室
Tel:03-3202-7181
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