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トップページ > 最新情報 > 新着情報 > 抗コロナウイルス特殊免疫グロブリン製剤医師主導治験

COVID-19の臨床的進行発現時の成人入院患者の治療を目的とした抗コロナウイルス特殊免疫グロブリン製剤静注用の安全性、忍容性および有効性を検討する医師主導治験の実施について
~国際多施設共同、アダプティブ、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験~

2020年12月23日

 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
 

国立研究開発法人 国立国際医療研究センターは、藤田医科大学と共同で、2020年12月22日から、COVID-19の臨床的進行発現時の成人入院患者の治療を目的とした抗コロナウイルス特殊免疫グロブリン製剤静注用の安全性、忍容性及び有効性を検討する国際多施設共同、アダプティブ、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験を開始いたしました。

この研究は、米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が資金提供し、International Network for Strategic Initiatives in Global HIV Trials(INSIGHT)が実施するもので、日本では国立国際医療研究センターと藤田医科大学が参加して、医師主導治験として行います。

特殊免疫グロブリン製剤の投与は様々な感染症に対して治療、予防として用いられてきました。COVID-19を発症しているものの臓器不全には至っていない入院患者さんにSARS-CoV-2に対する特殊免疫グロブリン製剤静注用を用いた受動免疫療法を行い、SARS-CoV-2に対する免疫反応を強化することで、更なる疾患進行や死亡といったその後のリスクを軽減できる可能性があります。

本研究は、PCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認されている、COVID-19に起因する症状発現後12日以内で、COVID-19の臨床症状のために入院治療を必要とする患者(全対象国での予定被験者数500例、日本国内10例)を対象としています。

本研究を通して、SARS-CoV-2に対する特殊免疫グロブリン製剤静注用の投与が疾患進行のリスクを低減するという仮説を検証します。COVID-19に対する有効な治療方法が限られている中で、SARS-CoV-2に対する高度免疫グロブリン製剤の安全性かつ有効性が証明された場合、COVID-19に有用な治療手段のひとつとなる可能性があります。

なお、国立国際医療研究センターでは「COVID-19 回復者血漿治療の有効性・安全性に関する基礎的、臨床的検討に関する研究」を特定臨床研究として行っていますが、この特定臨床研究ではより呼吸不全の進行した患者(具体的には経皮的動脈血酸素飽和度が94%以下)を対象としています。

本研究は米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)からの資金提供にて行われます。
加えて本研究は日本医療研究開発機構(AMED)の以下の研究費を得て行われます。

  • 事業名:新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業
  • 課題名:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法を確立するための研究
  • 課題番号:JP20fk0108282

プレスリリースに関するお問い合わせ先

研究に関するお問い合わせ先

国立国際医療研究センター病院
国際感染症センター センター長
大曲 貴夫
TEL:03-3202-7181
E-mail:nohmagari@hosp.ncgm.go.jp

取材に関するお問合せ先

国立国際医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
広報係長:西澤 樹生(にしざわ たつき)
電話:03-3202-7181(代表) <9:00~17:00>
E-mail:press@hosp.ncgm.go.jp