トップページ > 最新情報 > 新着情報 > NCGMと米国のThe Multi-Regional Clinical Trials Center of Brigham and Women's Hospital and Harvardが協力に関する覚書(MoU)を締結しました
NCGMと米国のThe Multi-Regional Clinical Trials Center of Brigham and Women's Hospital and Harvardが協力に関する覚書(MoU)を締結しました
2022年6月13日
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
臨床研究センター
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(理事長:國土典宏、略称:NCGM)と、米国のThe Multi-Regional Clinical Trials Center of Brigham and Women's Hospital and Harvard(代表:Barbara E Bierer教授、略称:MRCTセンター)と協力に関する覚書(Memorandum of Understanding:以下MOU)を2022年1月19日に締結しました。また、2022年5月20日にはMOU署名セレモニーをオンラインで開催し、将来におけるさらなる協力への期待について述べました。
MRCTセンターは、ハーバード大学及び、ハーバード大学医学部附属病院であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の両機関に附属する、国際共同臨床試験に特化した研究・政策センターです。グローバルな臨床試験における課題を特定し、倫理的、実用的、実現可能な解決策を提供するために、世界の企業、アカデミア、薬事規制機関、アドボカシーグループ、非営利団体等と協働しています。
MRCTセンターは、安全で質の高い臨床研究を行うために必要な臨床研究専門家の知識、スキル、態度を定めた「臨床研究専門職のためのコンピテンシーフレームワーク」(注1)を作成しました。これは、臨床研究専門職の教育や職務規定・業績評価等に活用され、また、世界の11言語に翻訳され広く普及されています。この臨床試験専門家コンピテンシーの日本語翻訳を、NCGMが大阪大学や国立がん研究センターと共同で実施し、2019年に発表しました(注2)。この経験を、NCGMが主導となって設立したアジアの国際共同臨床研究ネットワークであるARISE(注3)で発展させ、当該コンピテンシーのタイ語、インドネシア語、ベトナム語翻訳を現在行っています。さらに、ARISEとして、アジアアフリカの臨床研究専門職を対象としたコンピテンシーの実態調査をタイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、コンゴ民主共和国において、AMED補助事業で実施しています (注4)。
MOU締結により、NCGMとMRCTセンターは、互いの研究機関としての長所を再確認することで、アジア及び世界で、国際共同臨床試験の推進を目指します。
2022年5月20日にオンラインで開催されたMOU署名セレモニーの様子
(注1)臨床研究専門職のためのコンピテンシーフレームワーク
スペイン語、フランス語、日本語、ドイツ語、ポルトガル語、ロシア語、イタリア語、韓国語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語に翻訳されている(一部翻訳中)。
JTF Core Competency Framework for Clinical Research Professionals(英語)
臨床研究専門職のためのコンピテンシーフレームワーク(日本語翻訳版)
(注2)Joint Task Force for Clinical Trial Competency 日本語訳、下田 和孝, 渡邉 裕司、臨床薬理 2020 年 51 巻 3 号 p. 131-150, DOI https://doi.org/10.3999/jscpt.51.131
(注3)ARO Alliance for ASEAN & East Asia(ARISE、アライズ) NCGMが主導で設立した、アジア地域における臨床研究・治験実施体制の基盤整備を目的とした国際共同臨床研究アライアンスです。
(注4) 日本医療研究開発機構(略称:AMED)補助事業名:「臨床研究・治験推進研究事業(アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの構築事業)」 研究課題名:感染症分野における日本とアジア諸国の国際研究開発協力を推進する臨床研究・治験プラットフォーム形成と実証事業(AMED20lk020100j0001)
関連リンク
NCGM 臨床研究センター インターナショナルトライアル部ホームページ
https://ccs.ncgm.go.jp/050/index.html
MRCTセンターホームページ
https://mrctcenter.org/