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吸引管を持たずに吸引できるハンズフリー吸引チップを開発しました

2023年11月1日

ドクタージャパン株式会社
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター

ドクタージャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表:木下智明、以下「ドクタージャパン」)と国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(東京都新宿区、理事長:國土典宏、以下「NCGM」)は、このたび吸引管を手で持たずに吸引できるハンズフリー吸引チップを開発しました。

ハンズフリー吸引チップは、2019年9月に東京都医工連携HUB機構とNCGMが合同開催した臨床ニーズマッチング会にて形成外科の十九浦礼子医師から報告された内容を受けてドクタージャパンとNCGMで共同研究を行い開発しました。約4年間に渡り多くの議論と試作・改良を経て2023年8月に薬事届(届出番号:11B1X00018000008)の提出を完了し、その後の許認可を踏まえ、手術での使用を開始しました。

開発したハンズフリー吸引チップは、外科の手術において吸引を行う際に吸引管を手で持つことなく吸引操作ができる点が特徴であり、手術時間の短縮などを通じて「医師の働き方改革」の実施に貢献できる可能性があると見込んでおります。

今後はNCGMにて実際に手術で使用し症例の蓄積および有効性の確認を行うほか、他診療科への応用を進めて行く予定です。

背景

形成外科のマイクロサージャリーにおいて血管やリンパ管を吻合する際に、術者は顕微鏡を見ながら左手にピンセット、右手に縫合針を持ち吻合を行っています。しかし、術中に吸引が必要になった場合には、顕微鏡から眼を離し、手に持つピンセットや縫合針から吸引管へ持ち替えて吸引操作を実施しています。そのため、顕微鏡から眼をそらすことによる集中力の低下や器具を持ち替える手間が課題となっておりました。また、手術によっては吸引管を持つ専用の医師がいる場合もあり非効率であることも課題となっておりました。

他方、厚生労働省では「医師の働き方改革」の施行を予定しており、医師の勤務体系の見直しが必要となっています。そのため、手術時間の短縮や効率的な手術を行うための新しい吸引管の開発が必要であり、開発に至りました。

ハンズフリー吸引チップ

開発したハンズフリー吸引チップは、切開創を開創しながら吸引を行う開創器式チップと切開創に落とし込み吸引を行うドロップ式チップの2種類です。これらの吸引チップは症例に応じて選択され、手術室の吸引器に接続している吸引チューブに柔軟性のあるシリコーンチューブを介して接続し吸引を行うものです。

  • 図1 開創器式チップ
    図1 開創器式チップ
  • 図2 ドロップ式チップ
    図2 ドロップ式チップ

開創器式チップ概要

リンパ管吻合術などに使用するもので3本のフックがあることが特徴です。この3本のフックを切開創に入れ開創して固定することでハンズフリーを実現します。吸引は中央のパイプで行うものであり、詰まり対策として先端にスリット加工および側面に複数の孔加工を行っております。

ドロップ式チップ概要

皮弁移植など形成外科での一般的な手術に使用するもので切開創にチップを落とし込み吸引を行うことでハンズフリーを実現します。詰まり対策として先端にスリット加工および側面に複数の孔加工を行っております。

許認可情報

製品名 ハンズフリー吸引チップ
一般的名称 再使用可能な汎用吸引チップ
JMDN 38749000
リスク分類 一般医療機器
届出番号 11B1X00018000008
その他 未滅菌

お問い合わせ先

  • 本開発案件に関するお問い合わせ先
    ドクタージャパン株式会社
    久保寺 幸則(くぼてら ゆきのり)
    E メール:y-kubotera[at]drjapan-jp.com
  • 取材に関する問い合わせ先
    国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(NCGM)
    企画戦略局 広報企画室
    TEL:03-3202-7181(代表)内線:5097  ※9:00~17:00(平日のみ)
    Eメール:press[at]hosp.ncgm.go.jp

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