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ナショナルセンター・バイオバンク ネットワーク カタログデータベース検索サービスの刷新
-6NCバイオバンクの、検体および付随医療情報のカタログデータベースが国内外で広く利用し易くなりました-
2015年5月11日
国立がん研究センター
国立循環器病研究センター
国立精神・神経医療研究センター
国立国際医療研究センター
国立成育医療研究センター
国立長寿医療研究センター
ポイント
- 英語版の検索サービスを公開
- ICD-10コードおよびMEDIS管理番号による病名検索
- 各NCの主軸疾患についての付加医療情報表示
要旨
6つの国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター:NC)のバイオバンクの、ネットワーク型組織である「ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(National Center Biobank Network、略称NCBN)」では、このたび、個々のNCのバイオバンクが収集・保管するバイオリソース(検体)の情報を収載したカタログデータベースを、利用者層の拡大と検索の利便性向上のために刷新いたしました。
カタログデータベースでは、検索ページ※1で病名、検体の種別、問診情報等のカタログデータ項目を選択することにより、検索条件に合致した患者数、血液等の種別検体数、病理標本数など、NCのバイオバンクごとに、どの程度保有されているかの情報が閲覧でき、検索した検体についての、利用や共同研究等についての問い合わせが直ちにできるような仕組みになっています。
カタログデータベースの検索はこれまで日本語ページのみのサービス提供でしたが、英語版の検索ページを新たに公開しました。英語の病名分類では、日本語と英語の病名表記の対応が既にあるICD-10コードの分類体系を採用しています。
英語版の検索ページの公開にあわせて、日本語版の検索サービスもICD-10コード分類体系で病名検索できるように改変しました。また、国内では病名をMEDISコードで扱う場合も多いことから、ICD-10の4桁コードあるいはMEDIS管理番号をテキスト入力して検索できるサービスも用意しました。
さらに企業ニーズを反映した検体や医療情報を提供すべく、各NCの主な登録疾患を検索すると付加情報(薬剤情報、検査情報、特殊治療歴)が表示できるようにしました。
詳しくは、5月13日(水曜日)より開催の第12回アカデミックフォーラムにてご紹介します。
背景
NCは国民の健康に重大な影響のある特定の病気を解明し克服することを使命としています。そのため、新しい診断・治療・予防技術の開発に向けて、患者さんの血液・組織等の検体の収集と保管、研究のための手続きの整備などを6NC共同で進めています。その取り組みを行っているのが6NCのバイオバンクのネットワーク型組織であるNCBNです。
NCBNでは、平成24年12月にカタログデータベースの検索サービス※1を公開しました。以来、検索結果から共同研究、検体(生体試料)提供依頼の問い合わせ等が直ちにできるone stopサービス※2を目指した改良を加え、昨年9月にはNCBNホームページの英語版ページ※3を公開して広く海外の研究者にも認知いただけるよう情報発信に努めているところです。ただし日本語以外の言語でカタログ検索するサービスがなく、各NCのバイオバンクが保有する検体情報や付随する医療情報を海外の研究者に提供する術がありませんでした。
また、NCBNがおこなった企業ニーズに関するインタビュー調査の結果では、カタログデータベースに含まれていなかった情報のうち、薬歴、治療歴、検体検査歴等を知りたいというニーズが高かったことから、こうした情報をウェブ検索画面に如何に表示するかが課題となっています。
概要・意義
英語版の検索ページ※4では、病名分類に関して、日本語と英語の病名表記の対応が既にある、4桁のICD-10コードを採用しました。このICD-10コード体系により分類表示している画面から、目的とする疾患のチェックボックスを選択するか、ICD-10コードをテキストで直接入力することによって、検索できます。その他の検体情報や問診情報等については日本語の検索サービスと同じです。Biobanking and Biomolecular Resources Research Infrastructure (BBMRI)※5などの海外のバイオバンクでもICD-10コードによる病名分類を採用していることから、今回、NCBNでICD-10コード分類体系を採用したことにより、国内外共通に、バンクをまたいでバイオバンク試料や付随する医療情報を幅広く利活用できるようになります。
ICD-10コードによる英語表記の検索ページ公開にあわせて、日本語と英語の画面インターフェイスを統一するため、日本語表記の検索サービスも、病名をICD-10コード分類体系に組み直すこととしました。目的とする疾患のチェックボックスの選択は英語ページの検索サービスと同一ですが、日本ではMEDISコードに扱い慣れている利用者も多いことから、テキスト入力機能は、MEDIS管理番号をテキスト入力しても検索できるようにしました。
さらに企業ニーズを反映した検体や医療情報のうち、カタログデータ以外の付加情報(薬剤情報、検査情報、特殊治療歴)が提供できるようにしました。各NCの主な登録疾患(特に主軸疾患)を検索すると、付加情報の閲覧可能な疾患)※6については、該当するNCの検索結果の表示箇所にポインターを当てることでポップアップ表示するようにしました。これにより、各NCに特徴的な医療情報の種類を知ることができ、企業が必要とするバイオバンク情報の提供により共同研究等バイオバンク活用の促進が期待されます。
今後の課題
英語版および日本語版のカタログ検索サービスを揃えましたが、ICD-10分類体系から必要な病名を選択するには膨大な分類体系リストの中を探す必要があります。またテキスト入力による検索機能も今回用意しましたが、コード番号の入力のみという制限があります。こうした課題に対して、直接病名を入力して検索したり、過去の検索履歴を組み合わせる等、より使いやすいユーザーインターフェイスの改良を検討しております。
さらに企業ニーズを反映した、検体や医療情報の提供に向けて、各NCの主な登録疾患(特に主軸疾患)に関する付加情報表示をさらに充実していくとともに、各疾患の診断根拠の明示法についての検討も進める予定です。
用語
- カタログデータベース 検索サービスページ
http://www2.ncbiobank.org/Search/Search_ をご参照ください。
- NCBNでのone stopサービスと全体業務の現状
引用:「NCBNロードマップの見直しワーキンググループ」報告書より抜粋
- NCBNホームページ 英語ページ
http://www.ncbiobank.org/index-e.html をご参照ください。
- カタログデータベース英語表記の検索サービスページ
http://www2.ncbiobank.org/Search/Search_en/en をご参照ください。
(検索画面)
- BBMRI のウェブ検索ページ
https://www.bbmriportal.eu/bbmri2.0/jsp/core/login.jsf
から「login as guest」で入り、「Search function」ボタンを押してください。
- 付加情報のある疾患は以下のとおりです。
1型糖尿病、2型糖尿病、脳梗塞、虚血性心疾患、心不全、不整脈、高血圧症、 アルツハイマー型認知症、血管性認知症、その他の疾患の認知症、妄想型統合失調症、 統合失調症、2型双極性障害、躁うつ病、うつ病、反復性うつ病、適応障害、 精神医学的検査(健常対照)、HIV感染症、慢性(B型、C型)ウイルス肝炎
参照URL
ナショナルセンター バイオバンク ネットワーク プロジェクト公式サイト
ホームページ http://www.ncbiobank.org/
本件に関するお問合せ先
国立国際医療研究センター
中央バイオバンク 事務局
事務局長 加藤 規弘 (かとう のりひろ)
電話:03-3202-7181
E-mail: nokato@ri.ncgm.go.jp
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
取材に関するお問合せ先
国立健康危機管理研究機構 危機管理・運営局 広報管理部
電話:03-3202-7181(代表) <9:00~17:00>
E-mail:press [ a ] jihs.go.jp
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