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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についてNCGMが発表した学術論文

NCGMはCOVID-19対応にあたるほか、学術論文を発表することによって、COVID-19対応を通じて得た経験や研究成果を、人類共有の財産として蓄積・継承してまいります。このページでは、NCGM職員が筆頭著者または責任著者である掲載済み論文について紹介しています(editorialを除く)。
2021年1月6日現在、60報を掲載しています。

▼2020年12月掲載

COVID-19に対する迅速抗原検査の有用性:感染性についての予測因子<NEW>

迅速抗原検査は安価で、必要なリソースが少ない検査であるが、検討数がそれほど多くなく、感度についての議論が残っている。また病早期には感度が高いが、その特性を利用して感染性の予測因子として用いることができないかを検討した。RT-qPCRの結果を対照として、迅速抗原検査は病早期ならば比較的高い一致率(κ 0.5)をもち、特にコピー数が高い検体(1000コピー/アッセイ感染研法)であればかなり一致率が高かった(κ>0.8)。結果が乖離しやすい状況は発熱がないか、ウイルス増殖をおさえ得る薬剤の使用に関わっていた。迅速抗原陰性の結果は、多変量解析の結果、平熱、病日が11日以降、つまり隔離解除可能な状況に対する予測因子となる可能性があった。

Yamamoto K, Suzuki M, Yamada G, Sudo T, Nomoto H, Kinoshita N, Nakamura K, Tsujimoto Y, Kusaba Y, Morita C, Moriya A, Maeda K, Yagi S, Kimura M, Ohmagari N.
  Utility of the antigen test for coronavirus disease 2019: Factors influencing the prediction of the possibility of disease transmission.
International Journal of Infectious Diseases 2020.
https://doi.org/10.1016/j.ijid.2020.12.079
(2020/12/26)

入院中のCOVID-19患者に対するフローチャートを用いた眼科コンサルト

COVID-19患者における眼合併症の多くは基本的に視力低下を生じないが、入院患者では診断治療の遅れから重篤な視力低下をきたす眼症状を合併する可能性がある。自然治癒が見込まれる結膜炎や神経内科にコンサルトすべき複視から、重篤な視力低下につながる可能性がある角膜疾患や眼圧上昇など多彩な眼疾患に対し、眼症状やリスクを中心に眼科医にコンサルトすべきタイミングをフローチャートにまとめた。眼科医の常駐しない施設において、またCOVID-19の第三波、第四波、あるいは来たる未知の感染症に対するパンデミックの際にも、このフローチャートは有用と思われる。

Yashiro S, Ueta T, Kutsuna S, Okamoto T, Nagahara M, Ohmagari N.2_2020_GHM_yashiro.jpg
  Using flowchart for ophthalmic consultations in hospitalized patients with COVID-19.
Global Health & Medicine. 2020.
https://doi.org/10.35772/ghm.2020.01091
(2020/12/14)

▼2020年11月掲載

COVID-19パンデミックにおける“ステイホーム”の課題:居住に関する脆弱性を持つ9つの人口集団の検討

居住に関する脆弱性を持つ様々な人口集団におけるCOVID-19の社会経済的影響、感染と重症化リスク、対応策ならびに課題を概観する枠組みを作成し、わが国の9つの人口集団に適用して検討を行った。居住の脆弱性を捉える視点として国際的なホームレスの定義を援用し、路上生活者などの住居を持たない人々、インターネットカフェや無料低額宿泊所など暫定的な住居に起居する人々、及び困窮する非正規労働者・LGBTQ・外国人など不安定な居住状況に陥りやすい人々の3つのカテゴリーに分けて分析した。各人口集団特有の課題と共通する課題を整理することをとおして、分野・セクターを超えて対応する必要性を提示した。

Fujita M, Matsuoka S, Kiyohara H, Kumakura Y, Takeda Y, Goishi N, Tarui M, Inaba M, Nagai M, Hachiya M, Fujita N.
  “Staying at home” to tackle COVID-19 pandemic: Rhetoric or Reality? Cross-cutting analysis of nine population groups vulnerable to homelessness in Japan.
Trop Med Health. 2020; 48(1):92.
https://doi.org/10.1186/s41182-020-00281-0
(2020/11/23)

プロトコル論文:無症状~軽症COVID-19患者に対するシクレソニド吸入剤の有効性及び安全性を検討する第Ⅱ相試験

今回我々は、COVID-19に対する治療薬候補の1つである吸入シクレソニドの有効性及び安全性を検討するために、多施設共同非盲検ランダム化第Ⅱ相試験を行った。日本国内の22の病院から、胸部単純写真で肺炎がないCOVID-19患者を90名登録し、シクレソニド400μgを1日3回、7日間にわたって吸入するシクレソニド投与群と、対症療法のみを行う対症療法群のいずれかに無作為に割り付けた。両群とも必要に応じて鎮咳剤および解熱剤等を投与する対症療法は行った。主要評価項目は投与8日後の肺炎増悪割合の差であり、独立した放射線科医がブラインド下で投与前と投与1週間後のCT画像を比較して評価した。解析はFisherの正確検定を行って評価し、有意水準は両側10%とした。

Terada-Hirashima J, Suzuki M, Uemura Y, Hojo M, Mikami A, Sugiura W, Ohmagari N, Sugiyama H.
  The RACCO Trial to Assess the Efficacy and Safety of Inhaled Ciclesonide for Asymptomatic and Mild Patients with Covid-19: A Study Protocol for a Multi-center, Open-labeled, Randomized Controlled Trial. 
JMIR Res Protoc. 2020.
https://doi.org/10.2196/23830
(2020/11/18)

COVID-19流行初期における感染症外来での電話相談

2019年12月、中国武漢でCOVID-19が確認された翌月に国内初の症例が報告されると、感染症外来への電話での問い合わせが増加した。国内におけるCOVID-19流行初期には、社会の混乱や情勢を反映し感染症外来への電話相談が急増した。第1波では東京都の陽性者数と電話相談数が連動する傾向にあった。これらの相談に対し、国際感染症センター、国際診療部をはじめとする院内各部署、および地域の連携医に協力を仰ぎ即座に対応を行った。第2波では、病院内や地域に適切な医療体制が整備されていたため、電話相談の増加はなかった。新興感染症発症の初期段階では、関連情報を迅速に集約し、状況に応じた対策につなげる必要がある。

Osanai Y, Kinoshita N, Hayakawa K, Tanaka K, Hamano T, Kutsuna S, Ujiie M, Morioka S, Yamamoto K, Isikane M, Saito Sho, Sugiura Y, Ohmagari.2_2020_GHM_osanai.jpg
  Telephone consults at the Infectious Disease Outpatient Clinic during the early period of the COVID-19 epidemic.
Global Health & Medicine. 2020.
https://doi.org/10.35772/ghm.2020.01085
(2020/11/16)

帰国後のCOVID-19に対する自主検疫により透析が中断され問題となった症例

米国で維持透析を受けていた47歳の透析患者が、ルールに則って自主検疫を行い、帰国後7日間透析を受けずにホテルに滞在していた結果、呼吸困難と全身倦怠に陥り、当院に入院して緊急透析を実施することとなった。このケースは、コロナ禍における維持透析患者の国境を越えた移動について、患者の安全と生命を守る為、社会的かつ医学的な制度整備が必要と考えられたので社会への警鐘を鳴らす目的で報告した。

Arai Y, Katagiri D, Hinoshita F.
  A case of dialysis interruption caused by voluntary quarantine against the coronavirus disease (COVID-19) after returning from overseas to Japan.
Ther Apher Dial. 2020.
https://doi.org/10.1111/1744-9987.13608
(2020/11/15)

胸部単純CTによる肺動脈-大動脈径比とCOVID-19の臨床重症度との関連

COVID-19では、肺血管内皮障害や肺血栓塞栓症などによる肺高血圧と重症化の関連が報告されているが、感染リスクから心エコーや侵襲性から心臓カテーテルによる肺高血圧症の確定診断は難しい。本研究ではCOVID-19の確定診断で入院時に胸部単純CT検査を施行した103名において、肺動脈-大動脈径比(PA/Ao ratio)が予後と有意に関連し、> 0.9の場合、重症化(酸素需要4L/分以上、挿管管理、人工心肺装置や死亡)を予測できる事を示した。肺炎精査で施行されることが多い胸部単純CTで簡便にCOVID-19の予後を予測でき、日常臨床で極めて有用な指標であると考える。

Hayama H, Ishikane M, Sato R, Kanda K, Kinoshita N, Izumi S, Ohmagari N, Hiroi Y.
  Association of plain computed tomography-determined pulmonary artery-to-aorta ratio with clinical severity of coronavirus disease 2019.
Pulmonary Circulation. November 2020.
https://doi.org/10.1177/2045894020969492
(2020/11/5)

発熱外来を受診した非COVID-19患者の中に占める重症患者の内訳

2020年3月11日から4月24日に国立国際医療研究センター病院の発熱外来を受診した1,470人のうち、84人(5.7%)が入院した。84人中45人(53.6%)がCOVID-19患者であった。非COVID-19入院患者39人のうち、9人が生命を脅かす重大な疾患であった。その内訳は、急性心不全(3人)、敗血症性ショック(2人)、HIV/AIDSに伴うニューモシスチス肺炎(2名)、扁桃周囲膿瘍(1人)、壊死性筋膜炎(1人)であった。COVID-19をスクリーニングする外来であっても、COVID-19以外の重大な疾患が隠れていることがあるので注意深く診療する必要がある。

Akiyama Y, Morioka S, Wakimoto Y, Kawashima A, Kanda K, Okuhama A, Suzuki T, Miyazato Y, Nomoto H, Ide S, Nakamoto T, Nakamura K, Ota M, Moriyama Y, Takaya S, Yamada K, Taguchi M, Sugito E, Izuka S, Ishiguro K, Kobayashi T, Miyake W, Kubota S, Ishikane M, Kinoshita N, Yamamoto K, Ujiie M, Kutsuna S, Hayakawa K, Saito S, Ohmagari N.
 Non-COVID-19 Patients with Life-threatening Diseases Who Visited a Fever Clinic: A Single-Center, Observational Study in Tokyo, Japan 
Intern Med. 2020.
https://doi.org/10.2169/internalmedicine.5614-20
(2020/11/2)

日本国内におけるCOVID-19第一波と第二波の比較

COVID-19 Registry Japanのデータを用いて、日本国内におけるCOVID-19の流行状況を第一波(2020年1月26日~5月31日)、第二波(6月1日~7月31日)として比較した。第一波においては入院時に重症であった症例が多く、発症から入院までの日数が長い傾向にあった。第二波においては若年者の割合が高く、基礎疾患を有する割合が低かった。さらにすべての年齢層において死亡率が低い傾向にあった。これらの結果から第一波においては医療体制がよりひっ迫した状態であったことが示唆された。

Saito S, Asai Y, Matsunaga N, Hayakawa K, Terada M, Ohtsu H, Tsuzuki S, Ohmagari N.
  First and second COVID-19 waves in Japan: A comparison of disease severity and characteristics.
J Infect. 2020
https://doi.org/10.1016/j.jinf.2020.10.033
(2020/11/2)

COVID-19回復期に出現した、川崎病などに特徴的な爪所見(Beau's nail、leukonychia)

COVID-19は小児の重篤な病態として、川崎病に類似した小児多系統炎症症候群pediatric inflammatory multisystem syndrome:PIMS)が報告されているが、成人でも関連性が注目されている。Beau's nailやleuknychiaは川崎病との関連が指摘されており、今回COVID-19のため酸素やステロイド投与などを受けた日本人成人男性が発症約2ヶ月後にそれらの爪所見を呈したため報告した。COVID-19における病態把握のためには爪所見も重要である。

Ide S, Morioka S, Inada M, Ohmagari N.
  Beau’s lines and leukonychia in a patient with coronavirus disease.
Intern Med Advance Publication. 2020.
https://doi.org/10.2169/internalmedicine.6112-20
(2020/11/2)

▼2020年10月掲載

▼2020年9月掲載

▼2020年8月掲載

▼2020年7月掲載

▼2020年6月掲載

▼2020年5月掲載

▼2020年4月掲載

▼2020年3月掲載