主な疾患と診療実績

肺感染症

 肺感染症とは、細菌、真菌(カビの仲間)、ウイルスなどの微生物が肺に侵入・増殖し、肺に傷害をあたえる病気をいいます。代表的な肺感染症が、いわゆる「肺炎」ですが、原因の多くは細菌によるもので、厳密にいうと「細菌性肺炎」です。ちなみに、ウイルスによるものは「ウイルス性肺炎」で、肺結核は、結核菌という特殊な細菌による感染症です。肺炎の「炎」は炎症を意味し、私たちの体の中で病原体と戦う反応によって特徴づけられます。細菌性肺炎すなわち細菌感染による肺の炎症の場合は、細菌が肺の中で増殖し、肺を破壊するのに対して、私たちの体の側は白血球などの免疫細胞が中心になって、菌を壊したり食べたり、仲間の細胞を呼び寄せたりして組織的に戦います。この結果、私たちは、熱、咳、痰、だるさなどの症状を呈します。さらに菌が優勢になれば、広い範囲の肺が傷害され、レントゲンで肺は真っ白になり、その大切な機能―空気中の酸素の血液中への取込み―を果たせなくなってしまいます。いわゆる呼吸不全の状態で、こうなると私たちは息苦しさを感じるようになります。 治療の原則は、肺炎の原因となっている病原体を特定し、その病原体をやっつけることです。原因病原体が細菌、ウイルス、真菌のいずれかによって、有効な治療薬は全く異なります。細菌感染の時のみ「抗生物質」が有効ですが、細菌の種類、さらには個々の細菌によって抗生物質の効き目はまちまちですので、その見極めは必ずしも容易ではありません。適切な治療薬を必要量必要期間使用しつつ、補助療法として酸素、点滴、その他の薬剤などを投与します。

 

診療実績

 高齢者社会の到来とともに、肺炎で入院する患者さんの数も増えています(2008年度236名)。呼吸器科では、とりわけ肺感染症の原因微生物の同定に力を注ぎつつ、速やかな対応と適切な治療薬の選択を実践しています。また、当センターは結核病棟を持っているため、結核はもちろんですが、様々な原因不明の肺感染症の患者さんの診療にもあたっています。非結核性抗酸菌症や肺真菌症(とくに肺アスペルギルス症)は、肺結核治療後に発症することが多く、このような患者さんの数が多いのも当科の特徴の1つです。いずれも一般に治療が難しい肺感染症ですが、新しい抗菌薬による治療のほか、呼吸器外科との連携による外科療法の可能性にも力を入れています。 また、近隣のみならず、幅広い病診連携(逆紹介)、病病連携のネットワーク構築を目指し、人工呼吸器をはじめとした全身集中管理を要するような重症患者さんの救急対応も効率よく行う準備も整っております。

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