PET検査のお薬
PET検査用で使われる『くすり』は、大変寿命(半減期)が短いため、毎日、病院内にある専用の施設でつくります。まず、サイクロトロンと呼ばれる装置で放射能を持った原子(ポジトロン核種)を製造し、できたポジトロン核種を種々の方法で薬剤の元となる化合物に標識して、目的の薬剤をつくります。そして、純度試験や無菌試験などの厳しい検査を経て検定に合格したくすりをPET検査に使用します。
当院でのFDGの製造は、毎朝7時からサイクロトロンの運転、合成装置の準備が始まります。サイクロトロンで80~90分間照射を行い、放射性薬剤の元となるポジトロン核種「18F(フッ素18)」をつくります。これをFDG自動合成装置に輸送し、化学的な方法で18F-FDGのかたちに合成します。合成には約45分かかります。その後、品質検定を経て、9時30分頃に投与ができるようになります。
FDG の製造は日本アイソト-プ協会「サイクロトロン核医学利用専門委員会が成熟技術として認定した放射性薬剤の基準」及び日本核医学会「院内製造されたFDG を用いてPET 検査をおこなうためのガイドライン」に準拠し、日本製鋼所製サイクロトロン BC2010Nと、厚生労働省の医療用具として承認されている住友重機械製FDG合成装置F200を用いています。

図1 FDG自動合成装置

図2 FDGの構造式
また、11C-メチオニンの製造は、サイクトロトンで30~40分間照射を行い「11C(炭素11)」をつくり、専用の合成装置を使い11C-メチオニンに合成します。11C-メチオニンもFDGと同様に品質を検定し、合格したものをPET検査に使用します。

図3 メチオニン自動合成装置

図4 メチオニン構造式
PET薬剤は寿命が短いため、製造と品質試験の迅速性が求められますが、厳しい管理の下高品質で、安全性の高いくすりが検査には使われています。
(中島和彦)










