前立腺とは?
前立腺は男性のみにあります。膀胱の真下にあり、排尿を調節する働きと,精液の流れを調節する役目とを果たしています。
前立腺は男性だけの臓器です。
前立腺は膀胱の下(立位)に位置し、
尿道を包むような形をしています。
前立腺の病気
前立腺の病気は次の3つがほとんどです。
・前立腺炎
・前立腺肥大症
・前立腺がん
いずれも前立腺が大きくなりますので、排尿にかかわる症状(出にくい、トイレが近いなど)が出現します。
1.前立腺炎
- 細菌などにより、前立腺に炎症を起こしたもので、尿道,膀胱,精巣上体の感染から引き起こされたものが大部分で、また他の感染巣から血液を通して感染する場合もあります。急性では高熱を発したり、排尿の際、痛みをともなったりします。若い人にも起こることがあります。治療としては抗菌剤による化学療法を強力に行います。時々、慢性化します。慢性前立腺炎では発熱や排尿通などは伴いませんが、会陰部不快感などがしばしば遷延します。
2.前立腺肥大症
前立腺の尿道をつつむ部分を中心に良性の結節が出来て前立腺全体が肥大した状態です。50歳以降このような良性の結節が発生し、男性の加齢現象の一つと考えられています。必ずしも前立腺の大きさと症状は関係しません。肥大したための閉塞による症状と前立腺部の尿道の刺激による症状があります。これらの症状をまとめた国際前立腺症状スコアを用いて排尿状態を評価します。
治療法としては
1.無治療観察 〔日常生活治療〕
2.薬物治療 〔前立腺の平滑筋を弛緩させ、尿道抵抗を低下させる薬剤など〕
3.外科治療 〔経尿道的前立腺切除術
(TUR-P)など〕
4.尿道留置カテーテル
があげられます。
これらのどれを選択するかは、国際前立腺症状スコア,前立腺の大きさ,残尿の量、合併症の有無などを考慮し、患者および家族と相談の上で決められます。当科ではいずれの方法も選択することが出来ます。
3. 前立腺がん
米国では男性のがんの罹患率は前立腺がんが第一位で、がんによる死亡は肺がんに次いで2番目になっています。日本でも前立腺がん患者数は急増しています。2001年の前立腺がんによる全国の死亡者率は10万人に対し、12.4人ですが、20年後には約3倍になると予測されています。このがんは高齢になるほど発生率は高くなり80歳台では50歳台の90倍に達します。高齢化の進む日本で増えるのは当然といえます。また食生活の変化、特に脂肪の多い肉食を多く摂取している場合や緑黄色野菜の少ない場合には早く発生するという報告があります。
対象のほとんどが50歳台以降の男性に限られます。前立腺特異抗原(PSA)という感度の高い腫瘍マーカーがあり、数多いがん検診の中でも最も優れていると言われています。具体的には前立腺の触診(直腸指診),超音波検査とPSAとで総合的に判断します。確定するには針生検により、組織を採取して顕微鏡で検査する組織診断をしなければなりません。
排尿症状のある場合はもちろんですが、症状のない方でも50歳台半ばになったら一度はPSAの採血検診をお受けになることをお勧めします。
- 治療法を選択するためには前立腺がんの拡がりを調べる必要があります。前立腺内および周囲組織の病変の拡がりやリンパ節転移などはCT,MRIにより調べます。骨転移はシンチグラムで調べます。
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がんの病期や年齢、今までの病期や一般状態を総合して治療の方法を選びます。治療法としては、内分泌療法(ホルモン療法),手術療法,放射線療法が主なものです。
1)内分泌療法:前立腺がんは男性ホルモンの影響を強く受けています。男性ホルモンがつくられる過程を抑えるか、前立腺そのものに作用しなくなるようにする方法です。男性ホルモンが多く作られる精巣を摘除する方法,下垂体に作用して男性ホルモンを低下させる薬(定期的に皮下注射),男性ホルモンを抑える作用がある女性ホルモンや抗男性ホルモンを内服する方法があります。
2)手術療法:がんが前立腺内に限局しているときに、手術により前立腺を取り除く方法です。
3)放射線療法:高エネルギーの放射線によりがん細胞を殺す方法で、体の外から前立腺がん(転移も)に照射します。一般的に週5回,5〜6週間行います。最近では密封小線源永久留置による内照射が広く行われるようになりました。

予後はがんの病期およびがん細胞分化度,全身状態などによって決まりますが、前立腺がんの進行は一般に遅く、他のがんに比して比較的予後は良好です。5年生存率は前立腺内に限局している場合は95%以上で、リンパ節や骨などの転移がある場合でも内分泌療法により60〜80%の予後が得られています。
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