C型急性肝炎は無治療では約50-90%の症例が遷延化、慢性化する為、急性期を経過した後にALT値が二峰性ないし多峰性を示して慢性化が予想された時点で、インターフェロン(IFN)αないしβを2カ月間の連日投与かIFNαの6カ月間の間欠投与をおこなう。2001年以後に報告されたC型急性肝炎に対するIFN治療成績を表1文献(1-7)に示す。
| 報告年 | 報告者 | IFNの種類 | 治療期間 | 症例数 | 著効率(SVR)% | 文献 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2001 | Jaeckel | IFNα−2b | 24W | 44 | 98 | (6) | |
| 2003 | Gerlach | 各種 | 23-61W | 26 | 80 | (1) | |
| 2004 | Nomura | n-αIFN n-αIFN |
4W 24W |
15 2 |
87 100 |
(5) | |
| 2004 | Ohata | n-αIFN n-αIFN |
4W 8W |
7 10 |
29 90 |
(2) | |
| 2005 | Santantonio | PegIFNα2b | 24W | 16 | 94 | (3) | |
| 2005 | Ogata | 各種 | 71 | 80 | (7) | ||
| 2005 | Kamel | PegIFNα PegIFNα+リバビリン |
24W 24W |
20 20 |
80 85 |
(4) |
IFNの治療開始時期に関しては、発症2-3ヶ月以内の早期であれば、IFN単独治療でも 90%以上の高い治癒率がえられている。また佐田ら(文献8)の解析によると発症6ヶ月以内のIFN治療開始では85%の治癒率が、6ヶ月以上経過すると55%に低下することが確認されており、治療効果の観点からは少なくとも発症6ヶ月以内に投与を開始すべきである。一方で、治療開始時期をどこまで早めるかに関しては、自然治癒する症例をIFN治療対象から除外する為の観察期間が関係する。Gerlach(文献1)らによると、発症4ヶ月以後に自然治癒する例は見られず慢性化したと報告している。これらのことから、発症3ヶ月以内のALT値の二峰性ないし多峰性パターンの確認ないし、発症2-3か月経過した時点でHCV-RNAが消失していないことを確認した時点で慢性化したと判断し、治療効果の観点からもIFN治療の開始時期は発症後2-3ヶ月以内とするのが最良と考えられる。
C型慢性肝炎のIFN治療では治療前HCV-RNA量やHCV遺伝子型が治療効果に密接に関係するが、C型急性肝炎のIFN治療では、1b型高ウイルス症例でもIFN単独治療で90%の治癒効果が期待できる。
IFNの種類に関しては、ペグIFNを用いてのC型急性肝炎の慢性化阻止効果も報告されている(文献3-4)。従来のIFN単独治療と同等の治療成績だが、ペグIFNでは少なくとも6ヶ月以上の投与期間が必要である。またC型慢性肝炎治療では、リバビリンとペグIFNの併用療法が標準的治療となっているが、リバビリンによる副作用の問題、またリバビリンを併用せずともIFN単独治療で約90%の治療効果が期待され、IFN単独療法を上回る治療成績がリバビリン併用療法で確認されていないことも考慮すると、C型急性肝炎の慢性化予防の治療法としては、現時点ではIFN単独治療が推奨される。しかし、今後、C型急性肝炎に対するリバビリンとペグIFNの併用療法の臨床試験が実施され、単独治療法よりも短期間に、安全で確実に治癒させることが示されれば、薬剤の選択法を再考すべきかもしれない。
IFN投与時の注意事項は慢性肝炎の場合と同じでインフルエンザ様症状はほぼ100%出現するため、解熱鎮痛剤の投与で副作用の軽減をはかる。うつ病、間質性肺炎など生命に重篤な影響を及ぼす副作用は、出現頻度として少ないものの問診、診察などで早期発見を心がけることが重要である。
文献